2011/04/29

日本の危機から得られる9つの示唆

中国の雑誌「世界知識」の中で、震災後の日本について触れた記事が紹介されていた。震災の影響が今後の日本と中国、アジアとの関係をどう変えるのかを端的に述べられている。日本のメディアでは書けないであろう表現もある。他国では震災をこのように見ているのかということが分かる。

(1)の「日本は何と言っても超高齢社会に突入している。第二次世界大戦後に廃墟から復興し、さらに高度経済成長を遂げたあの奇跡を再び起こすのは難しい」については、十分な社会制度がない中で、高齢化、少子化(一人っ子政策)が進めば日本以上に中国の方が深刻な状態になるのでは思う。

【011.4.25人民日報より】
大地震と津波、そしてそれに伴う核危機により、日本経済は厳しい試練に直面した。また、この大災害は世界的な大災害の特徴も備えている。災害の全過程をよく観察すると、以下のような示唆を得ることができる。

(1)震災の中で日本国民が取った態度は賞賛を得た。復興・再建のプロセスでも、日本国民はすばらしい態度を取り、堅忍不抜の精神を見せてくれるだろう。し かし、日本は何と言っても超高齢社会に突入している。第二次世界大戦後に廃墟から復興し、さらに高度経済成長を遂げたあの奇跡を再び起こすのは難しい。日本の国力が衰退に向かいつつあるのはすでに避けられない事態となっている。

また、今回の災難により、日本の自然条件の過酷さがより露呈した。日本は戦後、これほど過酷な自然条件の中でも世界第二の経済大国に上り詰めたが、今回の災害で、国の発展は、自然が与える発展の「限度」を大幅に上回ることはできない、ということが良くわかった。自然への過度な要求と「征服」は、必然的に自然からの罰をもたらすことになる。 

(2)地震が多発する日本のような国で50カ所以上の原発を建設するには、厳密な管理体制と優秀な人材が必要だ。今回の原発事故では、日本の原発安全管理の盲点、人材不足が露呈した。 

(3)今回の原発事故は、全世界の原発事業に重要な教訓を与えた。ある意味では、莫大な代償を払って今後の世界原発事業に貢献を果たしたとも言える。

(4)今回の原発事故は、国の安全問題が多元化したことを反映している。原発の安全は、国のエネルギー安全問題から派生した課題の一つだ。国は様々な安全問題を直視しなければならない。これらの問題は、軍事上の安全問題と互いに独立しつつも関係がある。大地震の発生前、日本の指導者はいわゆる「中国の軍事的脅威」への対応ばかりに気を取られ、福島原発の事故や隠蔽問題に関しては全く準備がなかった。これは安全観に問題があるということだ。本当に国民の利益を考えた安全観が形成されていなかった。

(5)福島原発は、米国からの支援と支持を受けて建設・設計されたものだ。しかし、福島原発で問題が発生したとき、米国から日本へのいわゆる「保護」には限度があることがわかった。米国が優先したのは自国の軍人と救助隊の命であり、彼らを放射能の脅威から遠ざけることだった。これは核問題における米国からの保護という神話から日本人を目覚めさせることとなった。
 
(6)未曾有の災難により、日本の国力は衰退し、「中強日弱」の流れが加速するだろう。これは、中日関係が今後新たな時期に入ることを意味する。改革開放以来、日本は対中援助を通じて両国のウィンウィンの関係を築いてきたが、今後は中国が対日援助を通じてウィンウィンの関係を築くという形に転換する可能性がある。中米日の関係も、日米が軍事的に共同で中国に対峙するといった従来の構造から、比較的バランスの取れた三角関係に転換していく可能性がある。どのみち、中日両国は新たな時期の両国関係に向け、しっかりと準備する必要がある。

(7)今回の災害により、アジアないしは世界各国の人々の間で一体感、連帯感が強まった。国際関係に深刻な影響を及ぼす可能性もあるが、少なくとも国家間の相互支援、相互支持、共により安全な世界を作るという「全世界人民の大団結」という精神が強まったことは確かだ。

(8)地震、津波に伴う放射性物質漏えい事故により、中日などの東アジア国家・地域では、原発の安全に向けた協力を強化する必要性が強まった。中国大陸、韓国、台湾なども多くの原発を抱えている。特に中国大陸では、2009年までに沿海地域に6カ所の原発が完成しており、さらに10カ所が建設中となっている。しかも、中国も地震などの自然災害が多発する国だ。このため、日本の大地震からどれだけの教訓を学び、原発の安全問題にいかに対処していくかは、中日を含む東アジア国家・地域の共通の課題となっている。

(9)日本の大地震は人類の活動とは直接的な因果関係のない大災害だったものの、自然の力の強大さが明らかとなった。この災害は、環境汚染・温暖化・砂漠化拡大・熱帯雨林の消滅など、人類の活動と因果関係のある大災害に対し、人類が一致団結して、共同で対処していかなければならないと人々に警鐘を鳴らしている。これらの災害は地震や津波のように突発的ではないが、静かに、慢性的に人類の住処を破壊しつつある。今回の災害は教育という役割も持っている。世界各国、特に環境をめぐり命運を共にする近隣国家間が、国家間の問題を解決する上で有益な示唆となった。 

出所:2011.4.25人民日報

パラマウント・リゾート大阪、吹田市長が代わって期待。関連して配信されたリリースが笑える。

4月10日に行われた統一地方選挙前半戦で、橋下知事率いる維新の会は、大阪府議会で過半数を獲得、大阪市議では過半数にはおよばなかったが第一党となった。

加えて統一地方選挙後半戦では、パラマウント・リゾート大阪予定地となっているエキスポランド跡地と万博記念公園のある吹田市長が代わった。新たに市長に就いたのは井上哲也氏(維新の会)。吹田市議を4期務め、その後大阪府議を2期努め吹田市長となった人物。維新の会の幹事長でもある。

これでパラマント・リゾート大阪の実現に向け、大きく弾みがつくのではと喜んでいると、私以上に喜んでいる人物がいた。

エンターテイメントゾーンといわれるエリアのイメージ図

それはエキスポランド跡地でパラマウント・リゾート大阪の実現に向け動いている燦キャピタルマネージメント株式会社。8日の前半戦終え、明けた11日(月)になんとも分かりやすいリリースを配信している(以下「大阪エンターティンメントシティ(OEC) ~未来大人宣言~」参照)。

橋下知事と燦キャピタルマネージメント株式会社の関係は、橋下知事就任以来の動きを見ていればお分かりだとは思うがその関係は深い。

燦キャピタルマネージメント株式会社がこのようなリリースを配信する裏には、昨年7月大阪府が行ったエキスポランドおよび万博記念公園の活性化プランの検討にあたり実施した府政モニターのアンケートの結果も後押ししているのだろう。
参考:H22年7月23日大阪日日新聞「テーマパーク上位、エキスポランド跡地活用

また昨年の政府の事業仕分けで大阪エキスポランド跡地とその周辺の土地を管理する日本万国博覧会記念機構が廃止となったため、商業地などへの土地利用が可能となっていることも、喜びを隠せないリリースにつながっているのだろう。

はしゃぎすぎでエキスポエランド跡地の開発事業者に内々に指名されいるのではないかと思ってしまう。

企業が配信するリリースとしては非常に稀な内容のもので、燦キャピタルマネージメント株式会社が開発事業者として指名されたら、「このリリースで内定取ってたのはバレバレでしたよ」と、社長に云いに行きたいですね。

ある意味リリースの歴史に残るものかもしれない。是非お読みください。

臨時トップメッセージ 「大阪エンターティンメントシティ(OEC) ~未来大人宣言~
※リリースによれば「パラマウント・リゾート大阪」改め、「大阪エンターティンメントシティ(OEC)」となっている。

とにもかくにも関西活性につながるプロジェクトとなるよう橋下知事、井上市長、燦キャピタルマネージメントに期待しましょう。


参考まで(燦キャピタルマネージメント株式会社発表資料)
2009.7.16「パラマウント・リゾート大阪』について」
2010.6.2「OSAKA ENTERTAINMENT CITY』構想に係る万博記念公園(南側ゾーン)の活性化案の提出について

2011/04/26

節電で豊かな生活が戻る

日本人1人が使用する光の量は7万キロルーメン/時を超える。これは欧州より4割高い量だという。

また、環境省の調査によると中野区の夏の夜空は、街の灯りにより1988年〜1991年に比べ、2000年〜2009年では2倍明るくなったという。(読売新聞より)

東京ではさまざな施設で昼夜問わず照明をおとしているというが、利用者などからは今までが明るすぎたとの声が聞かれるという。

ヨーロッパ並みに照明を下げれば、心身の疲れも軽減できそうな気がするし、星空が見えるようになったり、今まで隠れていた街の陰影が現れ、夜の雰囲気を楽しめるようになると思う。

ロマンスが生まれやすい環境になるということか。

節電は東京の魅力を増すことになるという仮説が成り立つような気がする。

クールビズにも礼節を

東電管内では今夏節電が求められる。これを機にクールビスも定着するのではと思うが気になることがある。

幼い頃、夏になると大人たちはアイロンのきいた開襟シャツとスラックス。見ているものにも清涼感を与えてくれた。が、いつのまに皆がスーツを着るようになったのだろう。

汗でヨレたスーツより、麻や綿の開襟シャツや半袖Yシャツの方が夏には合理的な服装だし、他の人に清涼感も与える。

ただ、現在のクールビスから受ける印象は少し異なる。もっとも気になるスタイルが、スラックスと素肌に直接長袖Yシャツ、第2ボタンまであけている人。そんなスタイルをしている人に、清涼感や格好良いと思える人がどれだけいるだろう。

週1日のカジアルデーが広がったとき、大手流通の人事担当がこぼしていた、TシャツとGパンにスニーカーで出勤する社員がいる。カジアルと普段着の違いが分からない社員が多すぎると。

企業がいうカジアルはビジネスカジアルのことであり、カジュアルライクな服装という意味。それは社会人として礼節をもった肩のこらない服装ということだろう。

Webで見つけた礼節を守る(意識すること)で得られるものとして以下を見つけた。
  • 対人関係を良好に保つ
  • 仕事相手として、安心できる存在であることを発信
  • 前向きな協力を引き出すことにつながる
  • ビジネス上、重要な初対面での印象で損をしない 
加えて、礼節をもったクールビスは、見るものに清涼感を与える。メラビアンの3Vの法則ではないが、ビジネスの見た目は重要。

「クール」は「涼しい」という意味だけではなく、「格好良い」という意味も含まれている。ビズなのだから「社会人として礼節を持った格好良さ」と理解するべきでしょう。

4/20NEWSポストセブン
節電猛暑を乗り切る「超クールビズ」 ポロ&開襟2例を紹介

2011/04/24

ガイガーカウンターが手作りできる

プラスティックカップ、アルミホイル、AMラジオなどを使ってガイガーカウンターが手作りできるという。

つくり方を公開しているのは化学プロデューサーの米村でんじろう氏。

小学校の理科の授業で「ガイガーカウンターを作って放射線を測ろう」なんて授業が当たり前にならないことを願いますね。


NGKサイエンスサイト:http://goo.gl/0VPZd

2011/04/21

コンパニオンアニマル

ペット(愛玩動物)という言葉に違和感を覚えているのは、2匹の犬を飼う私だけではないだろう。飼い主の多くはそう感じていると思う。

飼い主たちは「かわいいペットですね」とは言わない。ワンちゃん、ワンコ、ネコちゃんと表現する。オス?メス?とも言わない、男の子、女の子という。つまり彼らにとっては愛玩する対象ではなく、共に暮らし、生きていく家族、仲間なのである。

動物たちとの共生と言われるようになって久しいが、今、ペットのことをコンパニオンアニマル(伴侶動物)との呼び方が浸透してきた。ペット関連の企業や医療、教育機関でもペットと呼ぶことを禁じ、コンパニオンアニマルと呼ぶケースが増えているという。

コンパニオンアニマル(伴侶動物)、言葉としては納得だが、コンパニオンの本来の意味は、「付き添いとしての友人や仲間」、「貴婦人・老婦人・病人の相手をする雇われの住み込みの女性」で、日本においては接客コンパニオンやイベントコンパニオンなど、おねーちゃんを連想する。つまり全く意味が異なる。

ペットとは言いたくないが、コンパニオンアニマルも日本人とっては少々違和感があるというか、なじみにくいような気がする。

慣れるしかないのかな。

2011/04/19

SMILE!

震災以降、テレビやラジオを通して被災地に送る応援メッセージとしてさまざまな音楽を耳にします。どの曲も被災地に思いを寄せる人々の気持ちが伝わるものばかりです。

自身だったら何を送るだろうと思ったときに浮かんだのが「Smile」。

資本主義の中、効率を求めた世界で人は機械のように働き、人間の尊厳が失われていくことに疑問を持ったチャンプリンが社会風刺の作品として発表したのが「モダンタイムズ」。そのラストシーンで流れるのが、チャップリン自らが作曲した「Smile」です。

1954年ナッキン・コールが歌い爆発的にヒットし、現在に至るまで多くのアーティストが歌っています。

モダンタイムズといい、スマイルといい、なんだか今の日本にとって意味深い作品だなと思った、雨降る午後でした。

 ナット・キング・コール

マイケル・ジャクソン(日本語訳詞付)

2011/04/14

原発現場に美味しい食事を(驚きの冷凍技術)

 「冷凍された食品は、安全で新鮮」。
冷凍食品は安価で美味しいとは言えず、食品添加剤なども使用されており、手軽さだけが重宝される食品という認識が一般的だと思います。


昨日、奈良にあるレストランで、冷凍フランス料理のランチコースをいただきました。お店は近隣のマダムで満員。来店者は冷凍保存されたフランス料理を店舗で解凍して提供していることはご存じないようです。


使用されている食材は全て国内産の厳選されたもので、セントラルキッチンで調理・冷凍されたものをレストランで解凍・盛付けをし提供しています。(一部、お店で手を加えるものがある)。


「新鮮」:例えば陸揚げされた魚が一般流通で消費者の手に届くまでは、一般的に2日程かかり、人の手にも何度か触れることになる。しかし陸揚げされて直ぐに冷凍されたものは輸送に時間がかかっても、一般に流通したものより新鮮さを維持できるという。また、よく言われる解凍時のドリップ(うまみ成分が水分と共にでてしまう)についても、今の冷凍技術ではドリップはほとんどでないとのことで、旨みについても十分に品質が保持できるとのことでした。


「安全」:厳選した食材(無農薬など)を使用し、調理や冷凍時に食品添加物などは一切使わず、調理後直ぐに冷凍しているため安全であるとのことでした。


確かに冷凍されたものとは思えない料理で、肉の旨みの一つである油の味は、一度冷凍されたものとは思えない美味しさがありました。お寿司については、シャリとネタを別々に冷凍したものをお客様に出す前にセットし提供しています。回転寿司や安価な居酒屋で食べる刺身などは薬品の味がしますが、全くそのようなことがなく、握りたての味とは言いませんが十分なものでした。またデザートのシフォンケーキがその特徴であるふんわり感と弾力が、冷凍されても損なわれていないのにも驚かされました。


これらの美味しさは厳選された食材を使用するのはもちろんのことですが、その冷凍技術に秘密があり、均等磁束密度と電磁波、そして冷風をハイブリットした冷凍機で冷凍されたものでなくてはならいそうです。簡単に言えば、普通に冷凍したのでは水分が凍った時にその氷結が大きいいためそれが細胞をつぶすことに繋がり、それが解凍した際にドリップとして旨み成分とともに流れ出してしまうそうです。しかし、この冷凍機を使用することで、多くの小さな氷結を一度に作ることができ、それにより大きな氷結をつくるのを防ぐそうです。結果、解凍した際にドリップの量を大幅に減らすことができ、旨み成分が食品から流れ出さないとのことでした。




高い冷凍技術は、安全で美味しい食を提供することはもちろん、計画生産、輸送の効率化、廃棄処分量を減らせ、結果としてコストを下げることにも繋がるというわけです。


この冷凍機は、既に多くの食品加工メーカーや食品の製造販売、洋菓子店が使用しているとのことですが、一部の購入事業者については、「食品を一旦冷凍していることは外部に漏らさない」、「冷凍機器を購入したことを漏らさない」という機密保持契約を取り交わすところがあるということです。つまり消費者が冷凍食品は美味しくないという認識があるがゆえのことだそうです。


とにかく驚きの冷凍フランス料理体験でした。
注:野菜、フルーツは冷凍したものではありません。ちなみにイチゴは冷解凍が可能だそうで、グレープフルーツは向かないそうです。




福島原発の作業員の現場の食事は、できるだけ空気に触れず、調理の必要としないものという条件での加工食品を食べられておられると聞きます。紹介した冷凍食品はパックされており原発内で食する食品の条件に合うものだと思います。美味しい幕の内弁当をパックして冷凍し、常温解凍して食べれば、一般に売られているお弁当と何ら変わりのないお弁当が食べることができます。缶詰やクラッカーなどに比べるとはるかによい食事が取れると思います。東電さん検討されてはいかがですか。


投稿にあたり

投稿には15分以上時間をかけないことを課し、誤字脱字、文脈の揺れを気にせず書いています。テーマはエンターテイメントを中心とした雑記。